特定非営利活動法人上越地域活性化機構(ORAJA)新潟県上越市・妙高市|IT技術を基盤技術として提供し、地域や産業の活性化に尽力します。

株式会社ジェーミックス

わが社はこうやってテレワークをはじめました

当社ジェーミックス(JapanMultimediaInformationeXchange)は、ケーブルテレビのインフラを活用した地域ブロードバンドの立上げに協力し、設立以来、ICT技術を活用した地域活性化事業を軸に、ネットワークの提供やデータセンターの運営、コールセンター事業に力を入れてきました。あわせて、学校教育分野では全国先駆けの校務支援システム開発に協力し、現在は、校務支援システムを使う先生方の業務サポートと教育ICT支援員による授業サポートを全国の小中学校を対象に展開しています。

当社は現場や対面でしっかり提案やサポートをすることをモットーとしており、テレワークにおいても、利便性とセキュリティを両立する環境整備を目指して、2020年5月からテレワークを始めました。今回、その経緯を紹介します。

テレワークのきっかけは

必要に応じてテレワークを取り入れていた

当社では、本社や上越市・長岡市の事務所並びに東京事務所の拠点のほかに、県外地方でも現地で学校教育サポート業務を展開しています。

そうした中で、現地採用社員が産休・育休明けであったり、学校現場サポート以外の業務を行ったりする時は、当該社員にパソコン・携帯電話を貸与し、テレワークを行っていました。テレワーク実施において、所属部で業務管理や勤怠管理を行っていましたが、規程制定含め全社で合意形成をしたテレワーク勤務環境整備などは、まだまだこれからでした。

新型コロナ感染症拡大防止対策として本格的にテレワークを導入

感染が広がる中、感染防止対策として、2020年4月より、以下2点を開始することとしました。
(1)オフィス分散・事務所内配置の見直し
(2)可能な業務からテレワークの開始

(1)オフィス分散・事務所内配置の見直し
テレワークに移行するための動作検証の環境整備や電話システムの社外利用など十分な検討を要する課題が多いヘルプデスク業務、コールセンター業務は、オフィス分散を行い感染リスクの軽減を図りました。
上記以外も、事務所内の会議室などをいくつか事務スペースとして利用し、密にならないような配置を行いました。

(2)テレワークが可能な業務の洗い出し
各部署の業務の中からテレワークできるものを洗い出し、必要に応じて出社も交えながら、テレワークを始めることとしました。以下は、各部署で検討したテレワーク可能業務となります。

 ①企画営業:顧客対応(メール、電話)、ソリューション企画
 ②情報インフラソリューション:システム提案書・企画書作成、ウェブ会議による提案
 ③学校教育サポート:校務・ICT支援(メール、電話)、巡回研修準備、ICT支援SV業務、ヘルプデスクSV業務
 ④総務:会計ソフト入力、社員対応(メール、チャット)、勤怠管理、給与支払い準備

なお、テレワーク実施における大きな懸念は、『毎日の連絡』『収益水準を保つ業務への取組み』となりますが、この課題に対する各部署の工夫を紹介します。


『毎日の連絡』
 ・毎朝、ウェブ会議(顔表示)にて、出欠確認(体調確認含む)
 ・Teamsで各自の状態・ステータスメッセージを設定(勤務地:○○)
 ・内部打合せは、ウェブ会議の予定登録を基本として積極的に実施
 ・終業までに、日報でその日の仕事を報告
  日報はグループ毎のチーム内のSharePointリストに登録
  登録されると、リーダーへEメールが通知

『収益水準を保つ業務への取組み』
 ・提案活動は、Teams電話・メールとウェブ会議で実施(活動数を日報で報告)
 ・納品業務は、お客様先直送で対応
 ・Teams外線電話番号を利用して、問合せ対応
 ・RASにてサーバー管理対応
 ・社内申請は、Teamsで代替
  社印押捺は総務出社社員の協力で、スキャンデータに
 ・現金精算(ガソリン代などの各精算申請書、費用支出申請書など)の運用を変更
 ・Teamsを利用して会計文書の持出しチェック手順を整理

※新規商談について
仕入れ先、メーカーもテレワークに移行し、回答までに時間を要するケースが増加、
商談の量に対して、回答が追い付かない状況が想定
 ⇒今は種まき(リードナーチャリング)に集中すべきタイミングと考えe-DMとWebinarを検討

※保守業務、緊急障害対応について
 ⇒必要に応じて出社で対応

わが社はこれを使いました ~既に使用していたもの~

当社がテレワークを開始するにあたって、既に導入して使用していたもので、テレワークでも役に立ったものを紹介します。

Microsoft 365

2019年12月1日から社内グループウェアをMicrosoft365で本格運用を開始していましたが、各種機能やサービスは、テレワークでも大いに役に立ちました!

Microsoft365の中で、特によく使ったのは、

Teams(グループ共同作業ができるコミュニケーションツール)

・チーム:社内向け各種お知らせ、部内情報共有、プロジェクト情報共有
 ※チャネルの中で、コメント・ファイル・メモを活用
  履歴が確認できて便利!メモは議事録としても利用!

・予定表:参加者への依頼、会議室・備品予約、ウェブ会議予約
 ※参加者の出欠確認ができるので調整が簡便
 ※ウェブ会議はURLをお知らせすると、外部ゲストを招待可能!

・チャット:社員個別間、組織単位(任意ですぐにグループ作成)
 ※送信先を選択して、すぐコメント送信
 だけど、同時複数受信は大変…
 ⇒そこで、「ステータス活用のススメ」

SharePoint(クラウドストレージサービス)

・社員別のフォルダを作成しアクセス制限をつけて、精算や申請に活用

OneDriveforBusiness(クラウドストレージサービス)

・社員個別に書類の保存のほか、データを共有してリアルタイムでの共同作業も実施

Outlook/ExchangeOnline(メール/予定表)

・予定表はTeams予定表と連携
・他社員の予定表を共有できるので、動向を確認して調整

Microsoft 365のログイン認証の強化

~Microsoft365の利活用が私用端末にも広がってきたため、多要素認証にてセキュリティを強化~
端末が接続しているネットワークが、『社内LAN』ではない場合は、ブラウザのMicrosoft365ログイン・アプリケーション利用時はログイン認証が要求される!
注意 な・り・す・ま・し!!
(☆Microsoft365は、当社で取り扱っておりますのでご相談ください。)

Parallels Remote Application Server(RAS)(リモート接続でのアプリケーション配信)

ParallelsR Remote Application Server(RAS)は、オールインワンのアプリケーション配信および VDI ソリューションで、ユーザーに対し、デバイスの種類、時間、場所を問わない、仮想ワークスペースへの安全なアクセスを提供します。
>> Parallels Remote Application Server(RAS)の詳細はこちら

社内システムに接続をして業務を行うときは、安全に社外から利用できるすぐれもの RAS を使用!

・管理者からIDを発行してもらい、社内のPCにプログラムをインストールして、テレワークで使用するPCにクライアントソフトをインストールすると、準備OK!

・自宅からアプリを起動して、IDパスワードを入力しログイン、業務開始!

※自宅から社内プリンターで出力して、 出勤メンバーと連携することも可能
(☆RASは、ParallelsR 認定リセラーの当社までご相談ください。)

勤怠管理システム

社外からアクセス可能なため、申請承認がスムーズ
※出張先でも部下の勤怠を確認・承認可能

デジタルサイネージ用大型ディスプレイ

大型画面を活用し、月次会議を実会議とウェブ会議併用としたので、社内会議参加目的の出張は激減!

わが社はこれを使いました ~新たに導入・整備したもの~

テレワーク本格稼働に向けて、ヘッドセット、WEBカメラ、ノートPCの追加購入の他に、新たに整備したものを紹介します。

Microsoft Surface Hub2S

4K カメラ、遠距離マイク、クリアなスピーカー、高解像度の 4K+ 画面ではっきりくっきり!
サインインして Microsoft365 ファイルにアクセスできるので、各自のデバイスを通して共同作業ができます。
>> Microsoft Surface Hub2S の詳細はこちら

ソフトバンク UniTalk

Microsoft Teams 通話機能拡張のクラウドボイスサービス
既に社内通話で活用していましたが、既存電話番号を番号ポータして外線着信へ展開! 外線着信をTeams受信&他Teamsユーザーへ転送することが可能になりました。

「電話機がなくても電話ができる」にはちょっと戸惑うけれど、受電環境課題(電話システム社内・商用混在、貸与携帯電話数増加)対応への展望が見えてきました。

テレワーク勤務規程の制定

ルールがないと始まらない!と、まずは基本を押さえて制定し、課題があれば都度改定していくこととして着手しました。下記事前アンケートから見えた課題解決も念頭に、2020年5月から施行しました。

≪アンケートから見る課題と検討≫
自宅で、ネットワーク接続環境はあるけれど、
携帯電話の貸与がない場合、外線電話が必要じゃないかな
 ⇒それには、UniTalkサービス導入で

業務利用時の自家用車利用時の保険はどうなるの
 ⇒必要な時は社有車を使用して(社有車で帰宅OK)

自宅に作業スペースがない(休園・休校・家族の在宅勤務など)
 ⇒必要に応じてコワーキングスペースを活用
  新たに、Code for(長岡)に会員登録

光熱費・通信費を負担については、何とかしてほしい
 ⇒総務省統計局の 家計調査報告を参考にテレワーク勤務時の費用負担を試算して、テレワーク勤務手当支給を規定

「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」を申請

感染拡大の東京在住社員のテレワークを優先して、ノートPC・ヘッドセットなど備品を早急に用意したい!と、申請書類を作成して2020年3月に送付しました。

なかなか進捗しない中、5月になって『東京しごと財団』から提出物不足の指摘を受け、その後何度かやり取りをして、ようやく6月に決定通知書を受領することができました。当初計画していた機種は販売終了となり、新たに選定して計画書を添付するなど、申請時には想定しなかった工数も発生しました。

『東京しごと財団』事業継続緊急対策(テレワーク)助成金
>> 事業継続緊急対策(テレワーク)助成金についてはこちら


最後に、実際にテレワークを行っている、社員の事例を紹介します。

はじめてみると ~子育てパートママのテレワーク~

勤務時間:9時から16時
担当業務:総務部経理担当
テレワーク業務:会計ソフト(オンプレミス)を使用した経理業務、担当業務マニュアル整備
テレワーク頻度:月の6割程度(月末月初および必要に応じて出勤)
追加環境:ノートPC貸与、RASライセンス付与

※図:7月ある日のタイムスケジュール

以下、実践社員の感想と事前の環境整備など。

心配だったけど
RASの使用や自宅のネットワーク環境に不安があったが、インターネットに接続できれば、後は問題なく仕事ができました。
 ※テレワークの前に:部内でマニュアルを整備して、トラブル時はすぐ連携!
経理業務はどうしても紙書類が多いので懸念したが、ルールを決めて持出したり、スキャンデータをPC上で確認したりして、会計ソフト入力はスムーズにできています。
 ※テレワークの前に:Teamsを使用し、持出・返却を管理することで整合

やっぱり出勤で
NBの手続きや書類保管など、出社しないとできない仕事については、整理して出社日にまとめて処理しています。
 ※テレワークの前に:銀行や行政窓口手続きを順次電子化。回数を削減!
帳票出力は会社のプリンターを利用するため、すぐに処理できない。出勤者と連携しても枚数が多いため、これは出勤時に行っています。
 ※テレワークの前に:テレワーク勤務申請書で月の出勤日を事前に共有!

休憩時間のおしゃべりで巷の情報交換は、やっぱり楽しいかも。
 ※テレワーク中は:朝礼・昼礼・夕礼やチャットで情報共有!
  当然業務中心になるので、雑談の良さはなかなか…

業務外で良かったこと
通勤や送迎など移動時間が減少したので、朝・夕の家事時間や子どもと関わる時間が増えました。空いた時間で、洗濯や玄関回り掃除などの家事も。
保護者在宅で学童保育利用が減り、送迎やお弁当の用意がなくなり利用料も減りました。子どものストレスも減ったようです。

はじめてみると ~バリバリ営業マンのテレワーク~

勤務時間:9時から18時
担当業務:ICT企画営業担当
テレワーク業務:取引先との商談、見積書や提案資料作成、発注、納品業務、伝票処理など
テレワーク頻度:月の7割程度(月末月初および必要に応じて出勤)
追加環境:なし

※図:8月ある日のタイムスケジュール

以下、実践社員の感想と事前の環境整備など

心配だったけど
商談や社内会議にウェブ会議や電話を使用するため、円滑に行えるか不安があったが、意思疎通も問題なくスムーズに行えています。
 ※事前に会議資料を送付するなどし、会議開始後はすぐに本題に入れるよう準備!
業務上必ず押印が必要となる書類があるが、事前に対応フローを決めておいたことで滞りなく行えています。
 ※テレワークの前に: Teamsを使用し、出勤者と連携を取ることで整合
仕事とプライベートの境が無くなる不安があったが、朝礼や終礼時間を設けることによりメリハリをつけて業務できています。
 ※上長としっかりコミュニケーション取ることで案件も確実に共有!

心配無かったこと
通常時もMicrosoft Teamsを使用していたため、社内コミュニケーションは普段通り変わりなく円滑に行えました。
既に外出先では「RAS」を使用し社内システムにアクセスしていた為、自宅からであっても同じやり方でスムーズに業務開始できました。

やっぱり出勤で
企画書や提案書を帳票出力する場合、会社のプリンターを利用するためすぐに確認できません。(週に1、2度出勤し、まとめて印刷し対応しています。)
 ※極力まとめて行うことにより業務効率も向上!

業務外で良かったこと
通勤にかかる移動時間が無くなり子どもと関わる時間が取れています。
産後間もない妻のフォローができます。


以上が、当社のテレワーク業務の立上げ時の取組みです。

当社は、企業活動、学校教育現場、日常生活などにおけるデジタル化を進めながら、お客様に寄り添う姿勢を基本としています。
現場や対面でしっかり提案やサポートをしながらも、電話応対で「顔が見えなくても」お客様の言葉を傾聴しサポートに努めてきました。テレワークでもその基本姿勢は変わりません。
引き続き、いつでも、どこでも、テレワークでも、自立し能動的に業務へ取り組める社員の育成と、それを支える利便性とセキュリティを両立する環境整備に努めていきたいと思います。

会社概要
会社名株式会社ジェーミックス
所在地〒943-0834 新潟県上越市西城町2丁目2-11 上越情報センタービル
事業内容ICT事業、サポートセンター事業、学校教育サポート事業

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